吉田 安規良*, 1・安井 翔一1・長沼 健2
1琉球大学教育学部, 2愛知教育大学
Akira YOSHIDA*,1, Syoichi YASUI1, Takeshi NAGANUMA2
1Faculty of Education, University of the Ryukyus, 2Aichi University of Education*whelk@edu.u-ryukyu.ac.jp
【 要 約 】
クロロホルムを使用するメチレンブルー法を利用した陰イオン界面活性剤の残留テストをPVCフィルム簡易比色法で代替して実践可能かどうかを検討した。市販の厚さ1 mmのポリ塩化ビニル製テーブルクロスを用い,小学校教員免許取得希望学生ならびに現職教員の計195名を対象に実践した。その結果,91.8%が両方の実験で同じ結果が得られたと判断したため,代替可能であると言える。
1. はじめに
化学物質の人間生活への功罪を学ぶ教育実践として,家庭用合成洗剤による環境汚染1)に焦点を当て,土中や水中に残留する洗剤(陰イオン界面活性剤)の含有量を調査することがある2)。通常,陰イオン合成界面活性剤の検出では,Longwell-Maniece法3)を改良したメチレンブルー(以下MBと略記)法4)が用いられることが多いが5-6),クロロホルムを使用することが初等中等教育での実践を難しくしている。その解決策として有機溶媒を使用しない検出法が開発され7-9),河川水中の陰イオン界面活性剤の測定を教材化した授業実践が報告されている9-11)。一方,フィールドワークを実施しにくい昨今の教育現場の実情から,教科書ではこうした河川水の汚染原因である日常生活そのものへの振り返りを促すため,洗濯済みのタオル等の合成洗剤の残留度を確かめる教材実験が提示され12),実践事例もある13)。しかし,提示されている方法は依然としてクロロホルムを使用したものである。高校化学IIの教科書では,探究活動の一環としてポリ塩化ビニル(以下PVCと略記)フィルム吸着簡易比色法(以下PVC法と略記)7, 11)を用いた水質の検査をテーマ例として提示しているが,どの程度の結果が得られるのかまでは明示されていない14-17)。そこでこの教材実験をPVC法で代替できるかどうか,小学校の教員免許を取得希望する大学生と現職教員に対しての実践を通して検証した。
2. 実験
試薬は全て特級もしくは生化学用のものを用いた。PVCフィルムは,市中のホームセンターで切り売り販売されている明和グラビア株式会社製の透明テーブルクロス(厚さ0.18, 0.2, 0.25, 0.3, 0.45, 1, 2 mmの7種 )を購入し2 cm×2 cmに切断後,純水で3回濯いだものを用いた。
陰イオン界面活性剤の溶液:授業実践で使用するPVCフィルムの厚さの検討では,10000 ppmドデシル硫酸ナトリウム水溶液を調製し,これを適宜希釈して用いた。授業実践では,受講生が日常の方法で洗濯して乾燥させたものに純水を適当にかけて湿らせ,この絞り汁を検液として用いた。
MB試薬:MB 0.10 g,濃硫酸7.0 mL,無水硫酸ナトリウム50 gを純水に溶解し,1000 mLとした。
クリスタルバイオレット(以下CVと略記)試薬:2.0×10−4 mol L−1 CV水溶液と2.0×10−3 mol L−1塩酸を4:3で混合したものを用いた。
PVC法:PVC法は静置法11)を用いた。50 mL〜100 mLビーカーに検液10 mLとCV試薬3.5 mLを加え軽く撹拌後,そこにPVCフィルムを10分間浸した。10分後に取り出したPVCフィルムの染色の度合いを観察した18)。
MB法: MB試薬による検出では,検液10 mLにMB試薬3.0 mLを混合し,クロロホルム2.0 mLを加えて撹拌し,クロロホルム層の呈色の度合いを観察した19)。
いずれの方法でも,呈色の程度は目視ならびにデンシトメトリーの結果(PVC法)から判断した。デンシトメトリーは,PVCフィルムを富士ゼロックス製DocuScan C4250でスキャンし,Image J20)のゲル分析プラグインを用いて8-bitグレースケール(256階調)に変換したものから算出した。
デンシトメトリーの測定は,0, 0.1, 1, 10, 100, 1000, 10000 ppmドデシル硫酸ナトリウムで着色したフィルム(各3枚)をそれぞれ純水で濯いだだけの実験前の状態のPVCフィルムを対照に測定し,実験前の状態のPVCフィルムのデンシトメトリーの結果を1とした時の相対値の平均を算出した。厚さ1 mmのPVCフィルムはさらに0〜0.1 ppm(0.1 ppmきざみ),1〜10 ppm(1 ppmきざみ),10〜100ppm(10 ppmきざみ),100〜1000 ppm(100 ppmきざみ),1000〜3000 ppm(100 ppmきざみ),1000〜10000 ppm(1000 ppmきざみ)で着色処理した各3枚もそれぞれ測定し,その結果も合わせて平均値を算出した。
授業実践と教材評価:琉球大学教育学部で開講している小学校の各教科の指導法に関する科目「理科教育研究」の受講学生139名(2007年度後期,2008年度前期ならびに後期開講)と2008年8月に開講された沖縄県教育委員会免許法認定講習「初等理科」を受講した現職教員56名の合計195名を対象に,PVC法とMB法の両方の方法を用いて実践した。PVCフィルムは厚さ1 mmのものを用いた。通常の小中学校で行われる授業実践を想定し,MB試薬,CV試薬は筆者が予め調製し,PVCフィルムも切断・洗浄済みのものを受講生に配布した。検液は受講生各人が調製し,純水を対照に実験した。実践は,各検液中に含まれている陰イオン界面活性剤の濃度を定量せず,残留しているか否かという定性的な分析を行うことを目的とした。従って各人が用いた各検液中の陰イオン界面活性剤の濃度は不明である。実践後,実験操作のやりやすさと結果のわかりやすさを5件法で調査し,あわせてどちらの実験を授業で用いたいかを調査した。
3. 結果 および 考察
3.1 市販のPVCフィルムを用いた時の着色の程度の確認 PVC法は,有機溶媒を使用しない他の方法8-9)に比べて,緩衝溶液や検出紙の調製が不要で,パックテストよりも安価である。しかし,これまでの実践報告はPVCフィルム自体も調製して行った実験であり,市販品でも実験可能という報告11, 16-17, 21)もあるが,その仔細については触れられていない。そこで,市販品を用いた時の着色の程度を確認した。
まず始めに,ドデシル硫酸ナトリウム濃度が0, 0.1, 1, 10, 100, 1000, 10000 ppmの水溶液で実験した。実験は各3回行ったが,どの厚さのPVCフィルムでも1 ppm〜1000 ppmで着色を目視確認できた(写真1)。着色は厚さが増すほど濃く見え,切断面がよく染まっているものもあった。これは着色原理11, 21-22)から考えて,PVCに含まれる可塑剤の量が増えることと,切断面では可塑剤がむき出しの状態であり,イオン会合体が吸着しやすいことが関係していると思われる。しかし,厚さ2 mmのものは切断が大変であり,厚さ0.3 mm以下のものは切断時に表面が剥離することがあった。このため準備のことを考えると,授業実践には厚さ0.45 mm〜1 mmのものが最適であると判断できる。そこで,厚さ1 mmのフィルムを用いてさらに詳しく実験した。その結果,1 ppm未満では,0.2〜0.6 ppmでも着色が見られたり,0.7 ppmでも着色が確認できなかったりするなど目視による着色判断が難しいことがあったが,概ね0.7 ppm〜2400 ppmの範囲で着色を目視確認できた(写真2)。
写真1 ドデシル硫酸ナトリウム濃度とPVCフィルムの着色の程度との関係
(各写真は左から順に水洗いのみ(Control),0, 0.1, 1, 10, 100, 1000, 10000 ppmでの結果)
写真2 厚さ1 mmのPVCフィルムでの各濃度での着色の程度
(各写真とも一番左は水洗いのみ(Control),右側ほど高濃度)
目視による着色の判断は判断者による差が生じることがあることが予想されるため,補助資料としてデンシトメトリー分析を行い,着色の度合いを比較した。通常は,既知の標準試料の結果を基準として用いる。しかし今回は,定量的な考察が目的ではないことと通常の授業実践がブランク(純水)や,水洗いしただけの実験前のものとの比較で行うことを考慮し,純水で濯いだだけの実験前のPVCフィルムでの結果を基準として相対的な着色度を数値化するだけに留めた。図1は純水で濯いだだけのPVCフィルムのデンシトメトリーの結果を1とした時の,0 ppm〜10000 ppmの各濃度におけるPVCフィルムのデンシトメトリーの結果の比(着色度)の平均を表したものである。純水(0 ppm)や0.1 ppmでは実験する前のものに比べてほとんど差がないが,10 ppmまでは濃度上昇とともに着色が濃くなった。10 ppmから1000 ppmまでは濃度と着色の程度にあまりはっきりとした関係が見られないが,1000 ppm以降は徐々に着色が薄くなり,10000 ppmでは純水で濯いだだけのものと大差なかった23)。1000 ppmでは,検液を撹拌するだけで界面活性剤の存在を示す泡を確認できるため,1000 ppm以上残留している場合には着色が確認できなくても授業実践には影響がないと言える。
図1 PVCフィルムの着色度の平均と濃度との関係
(◇, 厚さ0.18 mm; ▼, 厚さ0.2 mm; ▲, 厚さ0.25 mm; ◆, 厚さ0.3 mm; ■, 厚さ0.45 mm; ○, 厚さ1 mm; ●, 厚さ2 mm; エラーバー, 標準誤差; 測定サンプル数は厚さ1 mmの純水(0 ppm), 0.1, 2000, 3000, 10000 ppmは6枚, 1, 10, 100 ppmは9枚,1000 ppmは12枚,それ以外の厚さ,濃度は全て3枚)
3.2 実践の結果と受講生の評価
実践では,受講生各人が検液を調製し,PVC法とMB法の両方の実験で合成洗剤の残留テストを行った(写真3)。検液に含まれている陰イオン界面活性剤の濃度を定量せず,各人が日常用いている衣料品に陰イオン界面活性剤が残留しているか否かを2つの方法で判断してもらった。呈色の判定は検液を調製した各人が純水での結果と目視で比較して判断した。数名の受講生の検液は,界面活性剤が残留していると推察できる泡立ちが見られ,彼らは両方の実験で陽性の結果を得た。それ以外の受講生の検液は泡立ちが見られなかったため,陰イオン界面活性剤の残留濃度は1000 ppm以下であると予想された。表1は,目視で比較して判断した実験結果をまとめたものである。91.8%の受講生は実験結果が一致した。図2は実際に受講生が記入したレポートの一例である。2つの実験で結果が異なると判断した15名はいずれも極薄い呈色が一方の実験でのみ見られたと判断した(図2D, E)。こうした結果が生じた原因の1つの原因として,着色の判断基準に個人差があることが考えられる。MB法でのみ陽性と判断した者は,1 ppm未満の極低濃度での残留度であったため,PVC法での着色確認や0 ppmでの結果との目視比較が難しかったのではないかと考えられる。また,MB法では受講生の撹拌では呈色しなかったが,筆者の1人が机間指導した際に再度撹拌すると呈色した事例もあり,撹拌の仕方によって呈色の差が出やすいことがある。PVC法でのみ陽性と判断した者の中には,MB法での撹拌が不十分だった者も存在していた可能性もある。こうしたことがPVC法とMB法での結果の違いに影響したとも考えられる。
写真3 実践の様子(上)と受講生の実験結果(下)
(下の写真のMB法とPVC法の結果は同一サンプル(グループ)のものである。いずれも右から2つめが純水(0 ppm)での結果である。)
A B
C
図2 受講生が記録した実験結果の一例
(A, 両方とも陽性の例; B, 両方とも陽性だがPVC法では縁のほうが染まった例; C, 両方とも陰性の例;
D, PVC法は陰性だがMB法で陽性の例; E, PVC法は陽性だがMB法で陰性の例)
表2は,実験操作について「やりやすい」を5点,「やややりやすい」を4点,「どちらでもない」を3点,「やややりずらい」を2点,「やりずらい」を1点として受講生が評価した度数分布と平均点を示したものである。どちらの実験も平均が4.5点以上と高い評価を得ているが,無回答分を除いて分散分析を行った結果,MB法よりもPVC法のほうが実験しやすいという結果となった(F(1, 189)=9.91,p=0.0019<0.01)。また交互作用にも差があることが確認され(F(1, 189)=6.24, p=0.0133<0.05),PVC法の評価については現職教員の方が学生よりも有意に高い評価をしており(F(1, 189)=7.45, p=0.0069<0.01),さらに現職教員はPVC法をMB法よりも有意に高く評価した(F(1, 189)=15.93,p=0.0001<0.01)。
表3は,実験結果について「わかりやすい」を5点,「ややわかりやすい」を4点,「どちらでもない」を3点,「ややわかりずらい」を2点,「わかりずらい」を1点として受講生が評価した結果の度数分布と平均点を示したものである。無回答分を除いて分散分析を行った結果,どちらの方法でも現職教員の方が学生よりも有意に高い評価を下した(F(1, 192)=9.42, p=0.0025<0.01)。しかし,2つの実験方法で得られた結果については有意な差は見られず(F(1, 192)=0.61, p=0.4358>0.1),交互作用にも有意な差は見られなかった(F(1, 192)=0.14, p=0.7087>0.1)。
このようにPVC法はMB法に比べて実験操作が簡単であり,着色の程度に基づいた判定結果とそのわかりやすさについても差がないと判断されることから「合成洗剤の残留テスト」はPVC法で十分代替可能である。しかし,受講生に対して「実際の授業ではどちらの方法を取り入れて実践したいか」について質問したところ,表4のような結果を得た。現職教員ではMB法を選ぶ意見よりもPVC法を選ぶ意見が多かったが(2項検定 (両側検定) p=0.0055<0.01),学生ならびに全体としては意見が二分した(2項検定(両側検定) p>0.1)
選択理由を自由記述で回答(複数回答)してもらったところ,現職教員は「MB法はクロロホルムの毒性や後処理などの問題から使用を避けたい」という意見からPVC法を選んだ者が26名を占め一番多かった。PVC法を選択した他の意見として「MB法よりも結果がわかりやすい」(8名),「MB法よりも操作が簡便である」(7名)がそれに続いた。PVC法は10分間静置する必要があるが,「この10分間を使用して,結果を予想させることや討論させる機会として利用できる」という意見や,「得られた結果をノートに貼り付けるなどして保存することができ,実験を行った次時以降にも実験した内容を想起させることが容易になる」などの,授業や単元の組み立てに便利であるという意見も7名から出された。一方,MB法を選んだ者の意見は,「PVC法よりも結果がわかりやすい」が9名と一番多く,「クロロホルムが染まっていく様子が見られるので視覚的に印象深い」(2名),「PVC法よりも操作が簡便である」(2名)と続いた。また,「優劣つけにくい」(6名),「両方の実験を経験させたい」(2名)という理由から「どちらでも良い」を選んだ現職教員もいた。
一方,学生はMB法を選んだ理由として「PVC法よりも結果がわかりやすい」と答えた者が41名と一番多く,「クロロホルムが染まっていく様子が見られるので視覚的に印象深い」というような実験結果・観察現象そのものが印象的である・面白いという意見が19名,「PVC法よりも操作が簡便である」が14名と続いた。また,MB法のほうが試験管や危険な薬品を使用するため「理科の実験っぽい雰囲気が良い」と答えた者が4名いた。PVC法を選んだ理由としては,現職教員に一番多かった「MB法はクロロホルムの毒性や後処理などの問題から使用を避けたい」が28名とこちらもその理由を1位を占め,「MB法よりも結果がわかりやすい」(21名),「MB法よりも操作が簡便である」(10名)がそれに続き,現職教員と同様の傾向を示した。しかし,現職教員に見られた,授業や単元の組み立てに便利であるという意見は4名に留まり,反対にMB法を選択した理由として「PVC法での10分の反応時間をどう授業で使いこなせばよいかがわからない」,「PVC法では対照との違いや着色の度合いなど得られた結果をまとめにくい」という授業構成上の問題を答えた者も学生に見られた。「どちらでもよい」を選んだ者の理由は,「優劣つけにくい」が7名と最も多く,「同じ結果だから,両方ともわかりやすいから」が6名と続いた。
つまり,現職教員には,各人の日常の学校教育実践を思い描きながら,子どもの実態に即したものや実際の授業展開を踏まえて取り入れやすい方を選択したいという意識が強く表れており,学生は,「自分自身が楽しめたか,わかりやすいか」という基準で,教材実験としてどちらが適切であるかを判断する者が多かったと言える。この差は,学校現場経験の差から生じたものであると推察できる。
4. 結論
以上の結果から,市販の0.45 mm〜1 mm程度の厚さのPVC製のテーブルクロスとPVCフィルム吸着簡易比色法を用いることで,概ね1 ppm以上の濃度で合成洗剤の残留テストの実験教材をより安全な方法へ代替可能である。ただし,PVC法では1 ppm未満の濃度の場合,目視で確認できることもあれば確認できないこともあった。MB法は試験管の撹拌が不十分だと呈色の判断が難しいこともあった。今回の実践のように2つの方法で同一試料を用いて実験した際に,極低濃度しか残留していなかった時に異なる結果を示すことがあるので,授業者はこの点に留意して「MB法でははっきりと呈色させるために強く撹拌する」ことや「着色の判断には個人差があるため極低濃度の場合には,判断する者によって着色しているように見えたり見えなかったりすることがあり,検出限界値に近い濃度で残留している場合にそのような結果を示す」ことなどを学習者へ指導する必要がある。
今回の学生ならびに現職教員への実践結果は,小学校でも安全かつ簡便に実践可能であることを示唆しており,理科に比較的興味や関心の高い時期24)に実践できる教材実験であることを意味している。衣料や食器などに残った洗剤成分をMB法で検出する実践事例13)をPVC法で実践するだけでなく,大学での化学の専門教育の導入段階で実験器具の洗浄法を学ぶ際にも利用できる。さらには実験結果から洗剤の最適な使用量や用法について考えさせたりすることも可能である。
参考文献・注釈
1) 富山新一: 家庭用合成洗剤(Alkylbenzene Sulfonate系)の環境汚染と毒性説, 化学の領域増刊, 南江堂, 1980, 129, 83-100
2) 例えば藤谷 健, 土井 誠: 土壌による陰イオン界面活性剤の分解−環境保全教育の教材開発のための基礎実験−, 日本理科教育学会研究紀要, 1988, 29(2), 11-15
3) Longwell, J., Maniene, W.: Determination of Anionic Detergents in Sewage, Sewage Effluents and River Waters, Analyst, 1955, 80, 167-171
4) 小林義隆, 菅野三郎, 詫摩真澄: 水中のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの定量, 分析化学, 1963, 12, 826-830
5) 工場排水試験方法, JIS K0102 30.1.1, 2008, pp. 71-73
6) 日本分析化学会北海道支部編: 水の分析 第5版,化学同人, 2005, pp. 381-384
7) 長沼健, 加藤弘子, 石川宗雄: カチオン染料を用いた陰イオン界面活性剤のPVC吸着簡易比色法, 化学と教育, 1990, 38(1), 103-104
8) 石野二三枝, 篠田憲明: 陰イオン界面活性剤の簡易分析とその教材への応用, 化学と教育, 1998, 46(9), 588-591
9) 佐藤成哉, 井芹正生, 青井弘毅: 中学校の授業実践で使える陰イオン界面活性剤の簡易定量法の開発, 化学と教育, 2005, 53(9), 508-511
10) 長沼健, 尾嶋平次郎, 李捍東, 野々山喜代子: 環境教育における化学実験教材−簡易目視法による水質調査−, 愛知教育大学教科教育センター研究報告, 1992, 16, 207-211
11) 長沼健, 花井友則, 李捍東, 杉山美津夫, 梶山正明: PVCフィルム吸着比色法による陰イオン界面活性剤の簡易分析−生活排水調査と環境教育への利用−, 化学と教育, 1996, 44(5), 329-332
12) 理科基礎 自然のすがた・科学の見かた, 東京書籍, 2004, p. 63
13) 合成洗剤研究会編: みんなでためす洗剤と水汚染, 合同出版, 1986, pp. 24-33
14) 高等学校 化学II, 啓林館, 2003, p. 296
15) 高等学校 化学II 改訂版, 啓林館, 2007, p. 284
16) 坪村宏, 斎藤烈ほか: 高等学校 化学II 教授資料, 啓林館, 2003, p. 109
17) 坪村宏, 斎藤烈ほか: 高等学校 化学II 改訂版 教授資料, 啓林館, 2007, p. 117
18) 実験後にビーカーの器壁も紫色に染まることがあるが,メタノールやエタノールで除去できた。
19) 左巻健男編著: たのしくわかる化学実験事典, 東京書籍, 1996, p. 424
20) アメリカ国立衛生研究所 (NIH) で開発された画像処理ソフトウェア, http://rsb.info.nih.gov/ij/から入手可能(2009年1月28日現在)
21) 長沼健, 早川美千広, Seybold, P. G.: 軟質PVC中のトリフェニルメタン系色素の発光特性, 愛知教育大学研究報告(自然科学), 1996, 45, 15-18
22) 長沼健, 吉田和久, 井上亜寿香: 簡易分析におけるフィルム分析法の特徴, 愛知教育大学研究報告(自然科学), 1999, 48, 11-14
23) 今回使用したテーブルクロスには,抗菌処理とべたつき防止,静電気防止加工が施されている。製造元の説明では抗菌処理として内部のPVCに特別な薬剤を混合しており,表面にはべたつき防止,静電気防止のために特殊なインクによる印刷コーティングを施しているとのことである。使用している薬剤やインクがどのようなものであるのかは企業秘密であり詳細は不明である。今回の実験では検証できないため,これらの加工がCVの着色に何らかの影響を与えている可能性もありえる。しかし,今回の実践のような実験であれば特段考慮する必要はないと思われる。
24) 無藤隆編著: 理科大好き!の子どもを育てる 心理学・脳科学者からの提言, 北大路書房, 2008, pp. 79-127
附記
本論文は日本化学会第89春季年会(2009年)での発表を基に加筆したものである。