「化学教育ジャーナル(CEJ)」第3巻第2号(通巻5号)発行1999年12月25日/採録番号3-14/1999年 9月 7日受理
URL = http://www.juen.ac.jp/scien/cssj/cejrnl.html
表題 ヨーグルトを作ろう
石山泰規
山形市立第九中学校
1.はじめに
ヨーグルトは、よくスーパーなどで売られている。しかし、以前より我が家では、市販ヨーグルトを原料として自家製ヨーグルトを作って食べている。生徒達にとってヨーグルトは身近な食べ物であるが、「自分で作る」など思いも寄らないことで「スーパーなどから買って食べるもの」と思いこんでいる。そこで、今回は味などを含めて検討し、楽しみながら自家製ヨーグルトを作ってみることで乳酸発酵や乳酸菌についての知識を深めることを目的とした。また、乳酸菌は各社により異なるので、作成したヨーグルトの味の違いについて調べた。
2.材料
牛乳、ヨーグルト(下記の5社製)、発泡スチロールカップ、鍋、電気定温器
(1)「ビヒダス」森永 製造元 宮城県名取市(宮酪乳業(株))
(2)「小岩井プレーン」 製造元 小岩井乳業(株)東京工場 埼玉県狭山市
(3)「北海道」グリコ 製造元 グリコ共同乳業(株)那須工場
(4)「ブルガリア」明治LB81 製造元 明治乳業(株)東京都中央区京橋
(5)「クリームヨーグルト」 製造元 未確認
3.実験方法
(1)牛乳 200 ml を鍋に入れ、沸騰後、約 45℃ くらいに冷却する。
(2)スチロール製カップ(カップの滅菌、消毒等は必要なし)に市販のヨーグルト 20 gをいれ、十分攪拌する。
(3)カップをラップで覆った後、7 時間、電気定温器(37℃)で保温する。
(4)凝固後、冷蔵庫で冷却し、試食する。
4.結果と考察
生徒達は、乳酸菌が分解者として働くことを、ヨーグルトの作成を通して実践的に学ぶことができた。本教材は試食できることで、生徒の関心・意欲・態度に高まりがみられた。本教材は乳酸菌のはたらきを深める上で有効な教材であると思われる。
試食の結果を示す。
(1)「ビヒダス」 酸味強い 固まり方きれい
(2)「小岩井プレーン」 ソフトでまろやかな味 固まり方きれい
(3)「北海道」 ソフトでまろやかな味 よく固まらない
(4)「ブルガリア」 酸味強い 固まり方普通
(5)「クリームヨーグルト」 淡白な味 よく固まらない
参考:菌の種類
- 乳酸球菌ストレプトコツカス(Streptococcus)属
- 乳酸球菌ペデイオコツカス(Pediococcus)属
- 乳酸桿菌ラクトバチルス(Lactobacillus)属
- ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)
- ラクトバチルス・ユグルティー(Lactobacillus jugurti)−通称ブルガリア菌 40〜50℃ で生育、保存中の酸度上昇、ホモ型桿菌
Let's ferment milk to yoghurt!
Yasunori ISHIYAMA
Yamagata Ninth Junior High School
e-mail iwana30over@ma3.justnet.ne.jp
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