「化学教育ジャーナル(CEJ)」第6巻第1号(通巻10号)発行2002年 7月 31日/採録番号 6-2/2002年 7月 9日受理
URL = http://www.juen.ac.jp/scien/cssj/cejrnl.html




石英(せきえい)

鉱物名:石英(英語 quartz)
産地:ブラジル(英語 Brazil)
画像幅: 約 3 mm
化学式:SiO2

石英の表面に見られる蝕像: 結晶が微弱な溶解作用を受けると,結晶面の任意の点から溶けだし,表面に同じような形の凹地ができます。この凹地を蝕像(食像とも書く)と言います。なお,写真では光を横からあてたため,凸地のように見えています。

 石英の蝕像は,結晶が天然(写真)か合成かに関わらずみられます。なお,天然の水晶(結晶面の発達した石英)に較べ,合成水晶では結晶成長が速く,できる蝕像(凹地)は丸みを帯びた形になります。

 蝕像の形は,結晶面の対称性にしたがった形をもっています。石英は,SiO4 の四面体が6個単位でねじれた環をつくりながら配列してできた結晶です。環のねじれが右回りか左回りかによって,結晶面の対称性に違いがあります。写真は,右回りに配列した石英(右水晶)にできた蝕像です。

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Takanobu Oba
Geoscience Department, Joetsu University of Education
E-Mail:ohba@juen.ac.jp
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