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宇都宮大学共同教育学部附属学校園が目指す子ども像と育成する資質・能力

宇都宮大学共同教育学部附属幼稚園・小学校・中学校・特別支援学校(以下,学校園と略記)は,就学前教育から中等教育段階までを見通し,本学校園において目指す子ども像を考究し,その実現のため現状分析を行い,育成したい資質・能力を設定した。 
2017年3月の学習指導要領改訂(以下,新学習指導要領)を促した中央教育審議会答申「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」(中教審第197号,2016年12月)にも記されていたように,経済活動のグローバル化や情報化及び技術革新の急速な進展は私たちの社会や生活だけでなく子どもの教育のあり方にも変化をもたらしている。こうした変化は人間の予測を超えて進展しているとされ,こうした急速で予測困難な社会の変化に主体的に対応できる子どもの育成が求められている。そこで,本学校園が目指す子ども像を次のように掲げることとした。  

社会の変化に対応し,未来を創り出すたくましい子ども 

 
上記の子ども像を実現するための現状分析を記せば,次のとおりである。現状分析に際して,幼稚園に関しては教員による看取り,小学校及び中学校に関しては児童・生徒に対するアンケート調査の結果を主な手がかりとした。幼稚園では主体性,自主性,創造性,かかわり合う力などに関しては概ね教育目標を達成していると判断したが,伝え合う力,我慢強さに課題があると考えている。小学校では多様性を認め合う雰囲気の醸成,自主性,発想力などに関しては概ね達成していると判断したが,分かりやすく伝える力,地道に続ける力に課題があると考えている。中学校では互いに尊重し合う力などに関しては概ね教育目標を達成していると判断したが,粘り強く取り組む力,自分で考え判断する力に課題があると考えている。  
こうした各学校の課題に対して,わが国及び栃木県の学校教育に求められていることをふまえ,本学校園で育成したい資質・能力を設定する。  
新学習指導要領総則においては,資質・能力の育成に関して,1)知識及び技能の習得,2)思考力,判断力,表現力等の育成,3)学びに向かう力,人間性等の涵養を掲げている。また,栃木県教育委員会は「栃木県教育振興基本計画2020――教育ビジョンとちぎ――」を策定し,1)学びの基盤をつくる,2)志を立て未来をつくる,3)育ちあえる絆をつくる,という3つの基本目標を掲げ(15の基本施策を立案し目標達成を目指し)ている。  
本学校園は,こうした国及び栃木県の教育目標と前記の各学校園の課題を勘案し,本学校園で特に育成したい資質・能力を次のように設定した。  

○学びをつなげる力  
○かかわり合う力  
○やり遂げようとする力  

本学校園では上記のような子ども像と育成したい資質・能力を掲げ,教育活動に取り組む。次項以降の各教科等研究プロジェクトは,本学校園の教育活動推進上の教育課題を研究課題として捉え直し,単元・教材開発,教育効果の検証,等に取り組むものである。