そこで、コンピューターソフト(TOCO、トウコと読む)を使いながら、FUMI理論を理解し、実践に応用することを目的としたグループがTOCOの会です。この会は、現在のところ、企業、公共の検査機関の分析担当者や大学などの研究者が会員であり、FUMI理論やTOCOに関する情報交換や、精度や検出限界に関する共同実験も行っています。TOCOは、Total
Optimization of Chemical Operationsの略です。本来、TOCOは、最適化の概念としてFUMI理論の応用に関する論文で使われていました。
FUMIはFunction of Mutual Informationの略です。FUMI理論では、精度とシャノンの相互情報量(Mutual
Information)を関係づけていますので、この理論の名称をFUMIとしました。FUMI理論は、ベースラインのゆらぎ(ノイズ)とシグナルの確率論的性質から、機器分析の精度を予測します。もちろん、くりかえし測定は必要ありませんから、短時間に精度予測や検出限界の予測も行えますし、予測された精度の信頼性は高いことも分かっています。